スポンサーサイト 
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
 
Wembley Stadium 
1ヶ月以上前の話になってしまうが、Wembleyスタジアムで行われた、
England vs Franceの試合を観戦してきた。あまりにも神聖な試合なので、
記事を書くタイミングが難しく、年末まで引っ張ってしまった。

Wembleyには、中学生の時一度訪れている。オリンピック選手などを多数
輩出しているスポーツ校であるMilfield Schoolで3週間過ごし、サッカー部
の練習や試合にも参加させてもらった。芝のグランドが7~8面あり、その
環境の素晴らしさに驚愕した。

しかし、当時の感想は、「これがイングランドのサッカー?日本の方が
何倍も強いな」というものだった。もちろん、そんな単純な話では
なかったのだが。

僕ともう一人の友人と、日本人2人で参加したのだが、当時の同校サッカー部
には、アジア人が一人もおらず、日本から来たというだけで、おそらく
「下手だろう」とか思われたのだろう。しょっぱな、グランドの外で
唾を吐かれたり、あからさまに馬鹿にした態度をとられたりした。

「こいつら絶対許さない。ボコる。(サッカーで)」
心に誓った。

今ならそんなもの流せるが、当時は相当血気盛んだったので、外国人
だろうが同民族だろうが、バカにされて黙っていることはできなかった。
「やられたらやりかえす」と思っていたので、削った上でこっちの方が
うまいと証明してやるくらいの気持ちだった。

しかし、始まってみると、日本のそこらの中学校のサッカー部でも2軍
だろうと思われる下手さで、それなのに自分たちはうまいと勘違いして、
変なプレーをしていて、サッカーを冒涜してるんじゃないかと思った。

そんな感じなので、当然練習では力を差を見せられたし、出場させて
もらった紅白戦でも点をとれた。

すると、驚いたことに、ほんの短い時間の間に、僕たち日本人に
対する態度が激変した。

英語に敬語はないのだが、なんだか話し方がすごく丁寧になり、
全てにすごく気をつかってくれるようになり、練習後には「寮で
一緒に晩飯食べよう」と誘ってくれた。ついさっきまで唾を吐いて
きたやつらが、てのひらを返した。

何が彼らを変えたのか。

サッカーだ。

日本でもサッカーの世界では少なからずあることだが、レベルが違う。
彼らは、サッカーがうまければそれだけで全てを肯定するというか、
サッカーで実力・結果を出すことが、人間としての価値だと
いわんばかりだった。

ともあれ、僕らも単純なので、向こうの態度が軟化すればこっちは
攻撃する意味はないので、すぐに仲良くなり、毎日一緒に楽しく
過ごすことができた。日本に帰国する時には、みんな集まってきて
くれて、一緒に写真撮影したり、リフティングをわざわざビデオ撮影
してくれたり、もうファミリーとなっていた。

それが、僕が初めて肌で感じた「サッカーの母国」における
「サッカー」が意味するものの大きさだった。

そして、聞いたところでは、イングランドでは、中学卒業くらいから
一気に体が大きくなるのと、うまい選手は皆クラブチームに行って
いるため、「中学ナンバーワン」などというものには、イングランド
サッカーの実力は全く反映されないそうだ。数年後に戦ったら、
負けていたかもしれない。

そしてその時、日本からの友人と一緒に観光でWembleyを訪れたのだが、
今回実に14年ぶりに訪れた。そのスタジアムは、改装はされたが、
変わらぬ威光を放っていた。

試合の方は、フランス代表の芸術的なサッカーに完全に魅了されて
しまった。もちろんイングランド代表を応援していたのだが、
あまりにもフランスのサッカーが素晴らしいので、途中で応援も
何もなくなって、ただただそのサッカーに見入ってしまった。

「芸術サッカー」とは、1秒も休むことなく色々な選択肢・手法を
考え、泥臭く走り続けた結果として生み出される産物だという
ことがよく分かった。芸術とは一般的にそういうものなのかも
しれない。

フランス代表は、ワンプレーごとにボール保持者・非保持者
全員が局面に対してそれぞれが考える最善のアクションをとるため
に走っており、結果として効果的なスペースとパスコースが
複数生まれ、イングランドがどんなに体躯を活かしてプレッシャー
をかけようとしても、全然網に引っかからなかった。

個人レベルでは、ナスリの独特のステップに感嘆した。感動しすぎて、
涙が出そうになった。ボールを受ける前に、周りを見て状況を把握し
次のプレーを考える、ここまでは普通だ。彼の場合、もう一つの段階
があった。それは、足を置く位置の調整である。

仮にパスが足元にピッタリきたとしても、彼は、より次のプレーに
うつりやすいよう、普通の選手より1~2歩多く、細かくステップを
踏む。足の角度にも気を遣っているようだった。それにより、
ディフェンダーが次の動きを予測しづらくなっていたし、多少ピッチ
の状況でボールが跳ねても、簡単に対応していた。イマジネーション
自体も豊富だし、怪我とかがなければ、ナスリはメッシみたいな
トップスターになると思う。

結果は2-1でフランスの勝利(イングランドは終了間際に
コーナーからクラウチが押し込んだ)だったが、点差以上に
フランスが圧倒した試合だった。イングランドサポーターが
後半の早いタイミングで結構帰り始めてしまっていたことが、
内容を物語っていた気がする。

しかし、あんなに面白いサッカーが見られたのに、途中で
帰るなんて勿体無い。

Wembley1
Wembley park駅からスタジアムに向かう道。

Wembley2
選手が入場。会場のボルテージは最高潮。若干消えかかって
しまっているが、左の方に人文字でイングランドの旗が出ている。
スポンサーサイト
 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。