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FC町田ゼルビアの美学 
今春発売になったばかりの「FC町田ゼルビアの美学」を、お得意の
JP Booksさんを通じて、日本から取り寄せた。あまりにも素晴らしい
内容で、手元に届いた次の日の朝には全部読み終わってしまった。

今年のJ2の試合をフォローされている方はお気づきだと思うが、FC町田
ゼルビアのピッチでの戦い方は、およそ昇格直後のチームとは思えない
ものだ。どんな相手にもリスクを恐れずパスをつないでいくし、どんなに
失点しても攻撃的なスタイルを崩さない。これは、FC町田ゼルビアの
サッカーが単純な勝利至上主義ではなく、あくまで「理念」に基づき、
「美しいパスサッカーのもとに勝つ」ということを目標にしているからだ。
ただただ結果を求めるのであれば、J2に上がったばかりの今年は、
もう少し守備に重点を置き、攻撃は中盤をある程度省略することでリスク
を減らしてカウンターを狙うといった形になるのだろう。しかし、FC町田
は敢えてそれをしない。

僕がFC町田ユースでプレーしていた頃から(というかチーム創設以来)、
ずっとその理念は変わっていない。「美しくパスを回して勝つ」という
ことを強く言われた。当時を振り返ると、クラブチームにはあまり
見られない、厳しい「走り」の練習がかなり多く盛り込まれていた。
たしか火曜日だったと思うが、毎週決まった曜日は、ボールを一切使わずに
兎に角走らされた。根性サッカーではない。美しいパスサッカーのためだ。
美しいパスサッカーと聞くと、パスの練習を沢山していると思われる方も
いらっしゃるかもしれないが、セレクションに合格したりスカウトされて
入ったりした選手は、足元の能力はそもそもある程度備わっている。
問題は、どれだけ人が動いて各局面で多くのパスコースをつくれるかだ。
即ち、パスサッカーには、走力と、疲れていてもサボらない強い気持ちが
必要とされる。また、パスをつないで攻めていくと、ボールを奪われる
リスクも上がるので、奪われた時の切り替えも重要であり、これも
また前述の素養が必要になる。ジュニアからトップチームまで、この
理念に基づいた準備をし、試合に臨んでいるのだ。

理念を貫くことへのこだわりは、チームの運営にも見られる。FC町田は、
「おらが町のチーム」として、地元住民、地元行政と三位一体で
運営していくことに強くこだわる。財政面での厳しさを指摘されて
いるが、本当は、大企業に大株主になってもらえば、解決する問題
なのだ。しかし、FC町田はその選択肢を最初から消している。
なぜなら、そこに逃げてしまうと、「その企業のチーム」になって
しまい、もう「おらが町のチーム」ではなくなってしまうからだ。

ここまで、「地域密着」というJリーグの理念にしっかりと合致している
チームはJでも珍しい。

そして更に、FC町田ゼルビアがJリーグの理念を体現しているポイント
がある。それは、FC町田が、Jで唯一の、育成機関から始まったチーム
であるということだ。Jの多くのチームは、まず「Jに入る」という目的
ありきで設立され、後から理念や育成機関をつくっている。しかし
FC町田は、40名以上のJリーガーを輩出してきた育成組織から始まり、
そういった子どもたちの将来の受け皿としてトップチームを後から
作ったのだ。町田のチビっ子が、大人になるまで「美しいサッカー」
を続けられるようにしてあげたいという思いからできたトップチーム
なのだ。

上記は僕の稚拙なサマリーであるが、名著「FC町田ゼルビアの美学」
には、これらの内容がストーリー調でとても分かりやすく楽しく
書かれている。FC町田ゼルビアのファンの方には必読の書だし、
もしそうでなくても、各種スポーツチームの運営に携わられる方、
スポーツ業界にご興味がある方には、是非読んで頂きたい。

素晴らしい本を発行して下さった著者の佐藤拓也さん、発行元の
出版芸術社さんに心から感謝したい。ユースにいたにもかかわらず
この本を読んで初めて知った事実もあり、できれば自分がFC町田
に入る前にこの本を読んでいたかったなあと思った。
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